罪と罰(上下巻):ドストエフスキー

(引用)
≪こいつ何を言っているのだ、本気で、こんなあほらしいおしゃべりでおれの注意をそらそうとでも思っているのか?≫
「コーヒーは、こんな場所ですから、だせませんが、五分くらいいっしょにいてくれてもかまわんでしょう、気晴らしになりますよ」とポルフィーリイは休みなくしゃべりつづけた。

【内容】
青年ラスコーリニコフは、質屋の老婆姉妹を斧で叩き殺、そして奪った金を貧しい娼婦一家に全て与えます。
「放っておいても直ぐ死ぬ性悪な老婆を殺し、その金を使って数千の生命が腐敗と堕落から救われる。これは正義ではないか。」
自らの思想を理由に殺人を正当化していましたが、だんだん罪の意識に悩まされ、老婆の亡霊が見えるようになってきます。ついに、判事から殺人の犯人だと目を付けられ、厳しい尋問を受けさらに精神を病ませていきます。

【感想】
「自分は選ばれた人間で他の人とは違う。自分の行いは法律には反しているが、正義で価値のある行いである。」おそらく今現在でも犯罪を犯す人の頭の中は、こんな感じで自分勝手な論理でいっぱいなんでしょう。
ラスコーリニコフは、心の葛藤、揺れは振り幅が激しく人間味に溢れており、憎めないキャラクターです。だから、真相がバレそうになったときは読んでていたたまれなくなり胸がキリキリする重い読感です。思わず頑張れと応援したくもなる感覚になるから不思議です。

私がこの本にコーヒーを合わせるとしたら、ROCKブレンド🛒です。

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