きいろいゾウ:西加奈子

~会うて三、四回目のときうちに泊まって、それで、朝にコーヒー煎れとったら、結婚しようって。
うちがコーヒーの豆をごりごり削ってる背中をみて思ったんやって。この子と結婚して、田舎に越そう。
こんなにコーヒーを煎れるのに時間がかかる子やから、きっと大丈夫やって。~


前半約250ページは、ツマとムコのそれぞれの主観を交互に繰り返します。お互い気を許せる夫婦の、田舎での幸せな日常です。
同じ価値観をもった夫婦ですが、主観が変わると微妙に見える角度が違っていることに気づかされ面白いです。
残り250ページで話の展開が急転。ムコは背中の刺青を想い東京へ向かいます。ツマを失う覚悟までして探しにいったものは?

私もこの本の世界のような田舎生活に憧れていました。
何かと不便でも、だからこそ静かで落ち着いた平和な環境に身を置きたいと考えています。
ゆっくりした日常の中にある、他愛もない出来事の価値を再確認できる素敵な本でした。

田舎のゆったりした生活には、Mellowブレンドがお薦めです。

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